
Reference Datum 002
Figa Records and AER Records / 5D Records
ここではFiga Recordsと5D Recordsについてのデータを紹介するが、BeatlesではFigaによる「Live at the Shea stadium」と5D Recordsによる「The Shea Stadium Concert」が確認されている。
Figa Recordsの名義でプレスされたブートレッグは4タイトル確認できている。タイトルとマトリックスは以下のようになっている。(緑色番号はこのウェブ・サイトでの整理番号)
(Figa1)”Experience” Figa 1-A ∵ S-2647 / FIGA-1B∵ S-2648
(Figa2)Neil Young / Live At The Los Angeles Music Center FIGA-
2A/B∵ S-2649/50
(HOL029)Beatles / Live at the Shea stadium FIGA 3-A/B
(Figa4)Bob Dylan / Walking Down The Line FIGA 4A/B -2 S-2669/70
このうちすべてがAER Records 名義でリイシューされたが、ここでは実際に確認できた3タイトルを紹介する。

(Figa1) "Experience" は結構レアなブートレッグで、カバーには「Jimi Hendrix」というアーティスト名が印刷されているわけではなく、"Experience" とだけしかプリントされていない。そしてカバーにもレーベルにもFigaの名前は無い。マトリックスが下記の通りなので、Figa1と判断した。
Figa 1-A ∵ S-2647 / FIGA-1B∵ S-2648

しかし、AER盤では”JIMI””EXPERIENCE-LIVE”というタイトルになり、こちらのカバータイプや、盤質は他のFiga盤とも同じでバック・カバーにも「ROMA 1-72」のプリントは無い。マトリックスは Figa 1-A ∵ S-2647 / FIGA-1-B2∵ S-2666 と、Side2のマトリックスは上記Figa盤と異なるのだが、この FIGA-1-B2∵ S-2666 というマトリックスでもI.C Recordsからリプレスされているので、おそらくI.C Recordsを名乗っている時に、スタンパーの切り直しがあったと思われる。このAER盤ではカバーの作りは西河岸で製作されたFiga盤と同様の品質であった。

(Figa2)Neil Young / Live At The Los Angeles Music CenterではFiga盤とAER盤はどちらも同じマトリックスで、AER盤はやはり薄手、柔軟なカバーでバックにはROMA 1-72とプリントされていた。つまり「Live At The Shea Stadium」と同じパターンである。
(Figa4)写真下はBob Dylanの「Walking Down The Line」である。
下写真の上段のオリジナル・プレスは Figa 盤 Beatles / Live At The Shea Stadiumと同じ仕様であった。しかし中段の写真のように、カバーは同じFiga Recordsで、ディスク・レーベルが「Collector Label」のカラー盤という組み合わせでリイシューされた。そしてやはり、下段の写真のように縮小スリックとなりSmokin' Pig Label でもリイシューされた。


次に、5D Records についてだが、Buffalo Springfield の「Bluebird Roots」(5D1)と、Cat Stevensの「Concert」(5D2)が「5D Records」とスリックに印刷され、リリースされたものである。
(Figaと同じように緑色番号はこのウェブ・サイトでの整理番号)
上段の「Bluebird Roots」 は「SD Records」名義で、マトリックスはSD-101-A/B
下段の「Concert」は「5D Records」名義でマトリックスは5D-201-1/2 であった。
(5D2)Cat Stevensの「Concert」はTMOQ名義でスタンプ・カバーとカラー盤という組み合わせでもリリースされている。タイトルは「FATHER &SON」だが、マトリックスは全く同じである。さらにSmokin’Pigでもリイシューされ、Side1は新しいプレートが作られマトリックスは1809-1となった。古いマトリックスが消されている点から同じマザープレートから作られていることがわかる。

(5D1)Buffalo Springfield の「Bluebird Roots」もTMOQ名義でスタンプ・カバーとカラー盤という組み合わせでリリースされている。タイトルは「 SPRINGFIELD ROOTS」で(写真下)マトリックスは変わらない。バック・スリックの「5D Records」のロゴ・マークはそのままで、「SD Records」の時のスリックをそのまま流用している。

(5D2)と同じようにSmokin’Pig Labelからもリイシューされたが、仕様とマトリックスが2種類見つかっている。(写真下)

これら2種類のマトリックスは同じオリジナルのSD-101-A/Bのマザープレートから作られている。つまりは少なくとも(5D1)及び(5D2)のマザー・プレートはTMOQの手にあったと言える。
また、Figa盤もスタンパーがイタリアへ持ち込まれた可能性があるが、マザー・プレートはアメリカに残り、TMOQが利用したという可能性がある。となるとBeatlesの「The Shea Stadium Concert」(5D Records)もTMOQのK氏によるものなのだろうか・・・?